認知症

認知症 <原因と症状について>

少子高齢化が進み、認知症の高齢者が増えています。
「親や身近な人、自分自身が認知症になったらどうしよう・・・。」そんな不安はありませんか?
既に認知症の御家族の介護をされていたり、御自身が認知症と診断されている方もおられるかもしれません。
この記事では、認知症について様々な視点からまとめました。
是非参考になさって下さい。

「認知症」とは、様々な脳の病気により、脳の神経細胞の働きが徐々に低下し、認知機能(記憶、判断力など)が低下して社会生活に支障をきたす状態をいいます。近年、認知症の高齢者は増加しており、今後も増え続けると予想されます。
認知症は加齢に伴う「物忘れ」とは違い、脳の疾患による記憶障害などの症状を言います。食べたこと、外出したこと、家族の顔、名前、存在そのものなど、身のまわりのことを忘れてしまい日常生活を送ることが困難になっていきます。
そのよう症状が見られたら早めの受診をおすすめします。

認知症には様々な種類があります。高齢者だけでなく、若年層でも発症することがあります。
以下、認知症の種類別に原因と症状をまとめました。

アルツハイマー型認知症(アルツハイマー病)は、認知症の中で最も割合が多く、過半数を占めています。
「短期記憶障害」の症状から、ゆっくり進行していくのが特徴です。

<原因>
脳内の記憶に関する部位にアミロイド、神経細胞の中にタウという異常たんぱくが蓄積して海馬が萎縮し、その後脳全体が萎縮していきます。このような変化は、発症の10年以上前から脳内で起きていると考えられています。異常たんぱくが蓄積する原因は不明です。

<症状>
症状には中核症状と周辺症状の2種類があります。

中核症状
・記憶障害:最近のことが覚えられず、何度も同じことを質問する
・見当識障害:日時や場所がわからない
・遂行機能障害:順序立てて計画的に作業ができない
・失認:見た物が何かわからない

周辺症状
・徘徊:場所や自宅がわからなくなる
・妄想:「財布を取られた」「意地悪をされた」などの妄想が出る
・睡眠障害を伴う昼夜逆転
・夜間せん妄

現在、進行を遅らせる薬の開発や、異常たんぱくが蓄積しないようにする治療が進められています。

パーキンソン病の近縁疾患です。
アルツハイマー型認知症や血管性認知症より進行が早い傾向があります。


<原因>
レビー小体というたんぱくを大脳皮質に広く認めます。脳の神経細胞が徐々に減少し、側頭葉と後頭葉が萎縮するために幻視が出やすいと考えられています。頭頂葉、側頭葉、後頭葉での血流低下や脳萎縮もみられます

<症状>
・認知機能障害
・パーキンソン症状
・幻視
・自律神経障害

認知機能障害
会話の理解や、状況の把握(いつ、どこ)が難しい

パーキンソン症状
・身体が固くなり動きにくい
・スムーズに歩行できず転倒しやすい
・手が震える

幻視
・「そこに人がいる」「子供が横に座っている」など、実際には存在しないものが見える

自律神経障害
・便秘、失禁
・起立性低血圧

その他
興奮、無気力状態、傾眠

現在は、向精神薬やパーキンソン病の投与による治療が行われています。
歩行困難による転倒が原因で寝たきりになるケースもあります。

脳の一部である前頭葉や側頭葉前方の萎縮がみられます。
脳内の神経細胞の減少や脳萎縮により発症するとされています。

<原因>
脳内の神経細胞にある「タウ蛋白」「TDP-43]というたんぱく質が関係しているとされている。
ピック病も前頭葉側頭型認知症の一つです。脳内の「海馬」から萎縮が始まり脳全体へと広がります。

<症状>
前頭葉は「人格・社会性・言語」、側頭葉は「記憶、聴覚、言語」をつかさどります。
前頭葉側頭型認知症はこれらの機能が正常にはたらかなくなり、生活に支障をきたすようになります。

・抑制が効かなくなる:暴力、危険行為、相手に配慮した行動ができない
・社会性の欠如:犯罪行為、身だしなみに無頓着となる
・感情が鈍くなる、他人に共感できない
・同じ行為を繰り返す
・自発的な発言の低下:同じ言葉を繰り返す、相手の言葉をオウム返しする

前頭葉側頭型認知症は発症年齢が50~60代と若く、仕事を続けることができなくなるケースもあります。まだ効果的な治療法はありません。患者さん本人が症状の自覚を得にくいため、御家族の負担が大きくなります。福祉サービスについて情報収集をし活用していきましょう。

脳血管性認知症とは、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血などの脳血管障害によって起こる認知症です。

<原因>
脳血管障害に加え、高血圧、糖尿病、心疾患などが原因となり脳血管性認知症を発症させます。
慢性的な小さい脳血管障害を日々繰り返し、徐々に認知症が進行するケースもあります。

<症状>
・記憶障害
・認知機能障害
・パーキンソン症状
・排尿障害
・歩行障害
・抑うつ
・せん妄
・言語障害

記憶障害や認知機能障害を改善させる薬や効果的な治療方法はまだありません。
脳血管障害の因子である高血圧、糖尿病、心疾患を同時にフォローしながら再発予防に努めることが大切です。
日々の血圧コントロールや食事内容の見直しなど、確実に行っていきましょう。

<原因>
血栓が脳内の血管に詰まることにより引き起こされます。脳の神経細胞に十分な血液が届かず様々な障害があらわれます。動脈硬化や心房細動の症状がある方は注意しましょう。

<症状>
・体の片側がうまく動かせない(麻痺やしびれ)
・呂律が回らない、言葉が出ない
・見え方がおかしい(視野の半分が欠ける)

<原因>
「高血圧」「動脈硬化」などが原因で脳の血管が破れあふれだし、「血腫」となって脳を圧迫し脳細胞を破壊します。これにより様々な症状があらわれます。出血した部位により症状は違い、重い障害が残るケースがありますので、日頃からの血圧管理や食生活に十分気をつけましょう。

<症状>
・麻痺
・頭痛
・運動失調
・意識障害
・視覚障害
・言語障害

<原因>
脳を包むくも膜の内側の血管内にできた動脈瘤が破裂して脳を圧迫し、様々な症状を引き起こします。
動脈瘤のできる原因はまだ不明ですが、血管の分岐部にできやすい傾向にあるようです。

<症状>
・激しい頭痛
・意識障害
・嘔吐
・目の異常(痛み、二重に見える、まぶたが下がる)
・めまい

細菌が原因で脳内で炎症を起こし認知症へ繋がるケースもあります。

<原因>
細菌、ウイルス、結核、真菌(カビ)などの病原体に感染し脳炎を起こします。
感染症だけでなく、自己免疫の作用で自己抗体を作り、これが脳に炎症を起こす自己免疫性脳炎もあります。

<症状>
・発熱
・意識障害
・頸部硬直
・けいれん
・頭痛
・嘔吐
・幻覚、妄想
・言語障害
・人格変化
・手足の感覚異常

普段と違う症状があれば、早めの受診を心がけましょう。


脳腫瘍とは頭蓋骨の中にできる腫瘍の総称です。
原発性脳腫瘍と転移性脳腫瘍の2つに分けられます。転移性脳腫瘍は、他臓器で発生した癌が血液によって脳に運ばれ増殖したものです。

<原因>

<症状>
・腫瘍の増大による脳浮腫
・意識障害
・吐き気
・めまい
・失語
・認知機能低下
・視野障害
・麻痺
・感覚障害
・嚥下障害
・けいれん
・高次脳機能障害
・精神症状
 他

事故による外傷や慢性的な血腫により症状があらわれることがあります。

何らかの外力が加わり頭部の軟部組織(皮膚、皮下組織)、頭蓋骨、頭蓋内(脳、髄膜)に損傷が起こることを言います。出血を伴う場合は迅速な対応が必要です。


<原因>
事故や転倒などにより頭部外傷となり発症する


<症状>
・頭蓋骨骨折
・意識障害
・急性硬膜下血腫
・くも膜下出血
・頭痛
・吐き気
・けいれん発作

硬膜と脳の間に血液が溜まる病気です。
比較的ゆっくりと時間をかけて血液の塊ができ、次第に症状があらわれます。

<原因>
頭部外傷がきっかけとなり、発症するケースが多いです。
軽い外傷でも症状があられる場合もありますので、注意が必要です。

<症状>
・頭痛
・意識障害
・歩行障害
・認知症症状

重い後遺症を伴うケースがあります。いつもと違う症状があれば早めに受診をしましょう。

認知症の原因には様々な種類があります。
高齢者は自分で体調変化に気づきにくいため、周囲からのサポートが必要です。認知症の早期発見ができるよう社会全体で温かく対応していきましょう。


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